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──夢だったような気がする
気が付くと僕は 昼過ぎの気だるい教室で歴史の授業を受けており
左胸に触ると 何事もなかったように
いつも通りの鼓動が 規則正しく指に響いた
窓の外から セミの声が痛いほど激しく降り注いでいた
それから
僕はずっと忘れていたのだ
僕は趣味で コツコツと小説を書いていた
他愛もない内容の
高校生の僕の自己満足を投影した
ご都合主義のライトな小説
大学受験の勉強の合間に 時には逃避で
現実世界で起こった友達とのいざこざや 心の揺れを織り込みながら
願望や 妄想を膨らませながら
上下動しながら 徐々に延びていく閲覧数
暴力的なコメントに怒りを堪えて目を瞑り
手放しで褒める一言に浮かれながら自戒し
一喜一憂しつつ
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