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「王様!う、宇宙ゾンビが、ついにこの星でも発見されました!!」
俺の部下の1人が慌てて報告しに来た。
その顔は焦りと恐怖に支配されてミキサーにかけられたみたいになっていた。彼のモヒカンは枝毛だらけになっていた。体は傷だらけで、それは命からがら逃げてきたということを俺に分かりやすく伝えた。
宇宙ゾンビは1400年もの間、着実に宇宙を蝕んでいった。そのスピードはこれまで見たことない程だった。宇宙ゾンビの始祖であるわんわん丸は故郷の星を壊滅させると知性を授かった。それは宇宙の意思とでもいうべき奇跡だった。とんでもなく低い確率でしかあり得ないことだった。
知性を持ったわんわん丸は配下である宇宙ゾンビ達を引き連れて各地の星を潰して回った。そしてそのうちに、幹部にも知性が芽生えだした。わんわん丸が知性を解き明かし、それを与えたのだ。
そしてついに、そのわんわん丸達が俺の星に入った。
部下の彼はそれを伝えるために何人の戦友を犠牲にしたのか。それを考えるだけで俺の心は怒りと憤りの焔で感情を燃料に燃え上がった。
「ありがとう、伝えてくれて。君の、君達の犠牲は必ず無駄にしない。最強の俺がわんわん丸達を逆に潰してこよう」
俺は宇宙チャンピオンだ。
最強の拳をもち、黄金のモヒカンをもつ。
絶対的王者。そして王者は逃げない。
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