第一章 進路調査

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教室が騒がしい。 女のケラケラ、げらげらと品の無い笑い声と男共の大きくやかましい声が入り混じり、ダンスパーティーと勘違いしてしまいそうだ。 教壇で教師が何かを言っているみたいだが、この教室では後ろの席まで声が届いこない。 殆どの机の上にはお菓子、携帯、化粧道具が散乱しており、とてもSHR(ショートホームルーム)の時間には見えない。休み時間にしてもこの惨状は酷すぎる。 だが、仕方がない。なぜなら。 「さすが、偏差値30の学校だよ」 褒めているわけではない、呆れているのだ。 ここの学校は社会に出ても社会不適合者になる確率が高い高校としても有名で、世間から見れば屑が集まる学校だ。 その学校にいる俺も勿論クズなのだが、そこらにいるクズでは無く。 将来が約束されているクズだ。 理由としては、父親が県内でいえば大企業といえる、実際は中小企業だが。その会社の社長が父親で親族幹部として約束されている。 クズ高校と世間から言われているのはもう一つ理由がある。 この高校のすぐいったところに、偏差値60の進学校があり。そこと比べられるのも一つの原因だろう。 俺は文庫本を読み終えると、周りを見渡す。
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