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嫌いで別れた訳ではなく、周りの環境や金銭的な問題で諦めた流れの恋はたまに思い出したり、次のステップに進む事もなく月日だけが流れた。
今回チャンスをもらい画面を通してモニタリングさせてもらったが、こんなに期間が空いたにも関わらず彼の周りにも女性の影が見えない事が不思議だった。
近くに女の人作って、もしかしたら結婚して子供もいるかもと思っていたのに、描いていたものとは全く違い呆然として彼のルーティーンをテレビ越しに見ていた。
一週間の生活の締めくくりに彼はフォックスベリーのアイスの蓋を取り、空を見上げて味わってるのを見ると知らぬ間に涙がポロポロと零れていた。
アイスを食べる時は煩悩の塊なので、甘くておいしい物に癒されたいに留まらず、ヘコんだ時は励ましまで求めていたのに、このアイスはすべてを受け止め期待に応えて見守ってくれていた。
フォックスベリーの味は彼も気に入ってたのでたまたまかもしれないが、夜空に向かって食べるのは言った記憶があるのでキュンと心に引っかかる。
美味しいけど背中は何となく寂しい感じに見える。
それは私も同じで、食べ終わると魔法が切れたようにカロリーも含めて罪悪感で沈むが『ポッチャリしてもいいよ』とアッサリ言ってくれたのが嬉かったのを今でも覚えている。
無理しすぎず自然体でいれるし、手を繋ぐことは勿論だが、寝る時も沢山のキスをしてから触れる回数が増え自然とそうなる…な流れも好きで身体の相性も良かったと思う。
今日は止めてと言っても、拗ねたりせずギュッと抱きしめてくれたそんな優しい所も好きだった。
諦めて記憶から消そうと連絡を取らない生活を始めたが、きっちり別れてないのがダメなのか何となく考えてしまう自分が居る。
『別れてもプツッと切られるのはショックだからメアドとか消さずにさ、もし結婚とかしても連絡できる関係がいい』
と言っていたが穏便に別れるって浮気とかが原因だったら普通に難しそうだ。
元カレの生活を二時間ドラマ仕立てで見せてもらえたのは新鮮だったし、気になっても自分では絶対出来ない事なのでお礼が言いたい位だ。
空に輝く星に向かって目を閉じると『私に勇気を下さい』とお願いしてみた。
次の星が出た夜にはアイスを食べてから彼にメールを送ってみようと思ったからだ。
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