合宿での出来事。

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俺がテニス部に入部してから一週間がたった。 なんとか俺のユニフォームも出来上がり、様になってきたような気もしたが、直哉と比べるとその成長速度は比べ物にならない。 もともとスポーツ万能な直哉と勝負にもならないのは当たり前なのだが。 でも、毎日汗をかくのは気持ちイイものだ。 それまでこれといって運動してたわけじゃないので、こんな充実感を得られるとはおもってなかった。 心底テニス部に入部してよかったとおもう。 そこは直哉に感謝するしかない。 でも、たしかに先輩とは顔を合わせれば会話を交わす程度の間柄にはなれたが、当たり前のことだが、それ以上進展することはなかった。 まあたったの一週間で関係が進展しても、おかしなことなのだが・・・。 そうなのだが、俺の中の先輩は徐々に存在を大きくして自己主張してくる。 まだ、入学して2週間しかたっていないのだが、俺の心の中は先輩で埋め尽くされているといっても過言ではない。 そう、あんな夢も見てしまったことだし、よほど俺の中の先輩の存在は大きくなってしまったのだろう。 だからといって、直哉が言うように行動に移すのはテニス部に入部する事くらいが精一杯だった。 たしかに最近は良く校舎で先輩のことを見掛けるようになり、会話も交わしたりしているので当初より進展があったといえばそうなのかもしれないが、俺の心はもうそれだけでは満足できなくなっていた。 先輩とデートをしたい。 一緒に一夜をすごして、あんな事やこんな事をたくさんしたい。 いろんな欲求が俺の心の中を駆け巡っていた。 もう、あの日の夢を思い出し、数えきれないくらい自慰して果ててしまっただろうか。 ただでさえ、自分自身に自信が持てないのに、男の先輩を好きになってしまい、告白する勇気もない俺としてはそれくらいが、精一杯なのだ。 例え、夢だろうと、妄想の中であろうと、その時だけは先輩と一緒に過ごせる満足感を味わうことができたのだ。 だが、その満足感は妄想に浸っているときだけの一瞬のものであった。 俺の先輩に対する欲望は段々と欲張りになってくる。 どうすればよいのだろうか・・・。 思い切って告白してみるか? いや、それこそ嫌われてしまったらもう立ち直ることができない。 でも、このまま何もしないでいても、これまでのように進展することはなく、また直哉の胸をかりて泣くことになるのだろう。
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