星の指輪 2

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「今度はいつ来れば宜しいですか。」 「トレッドミルとホルターの結果が出て からで結構です。それまでに薬がなくなる 場合には取りに来て下さい。脈拍は?」 「計ってません。」 「手出して。」 「どっち?」 「右手。」 小山はぶっきらぼうに言い捨てた。涼子が 彼の目の前に右手を突き出すと、小山は 彼女の腕をつかんで下ろし、自分の右手の 人差指と中指と薬指で手首に触れた。 視線は腕時計である。 「七十二です。運動中は時々ご自分で 五秒間計ってその数を十二倍して下さい。」
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