星の指輪 2

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それから間もなくのことだった。職員室で 引き出しに放り込んだプリント類を整理 しようとして持ち上げた瞬間、刺すような 痛みを胸に感じた。嫌な気持ちがして、 息苦しくなった。安定剤を飲んだ。眠く なり仕事にならなかった。 それから涼子はしばしば瞬間的な胸痛に 見舞われた。この痛みは何かの前兆なの だろうか。どこか悪化しているのだろうか。 今までなんでもなかった人が治療を始めて、 良くなりこそすれ悪くなるはずがないじゃ ないか。 小山の言葉を思い出した。それでも痛む ようになったのだ。だから、不安なのだ。
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