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それから間もなくのことだった。職員室で
引き出しに放り込んだプリント類を整理
しようとして持ち上げた瞬間、刺すような
痛みを胸に感じた。嫌な気持ちがして、
息苦しくなった。安定剤を飲んだ。眠く
なり仕事にならなかった。
それから涼子はしばしば瞬間的な胸痛に
見舞われた。この痛みは何かの前兆なの
だろうか。どこか悪化しているのだろうか。
今までなんでもなかった人が治療を始めて、
良くなりこそすれ悪くなるはずがないじゃ
ないか。
小山の言葉を思い出した。それでも痛む
ようになったのだ。だから、不安なのだ。
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