星の指輪 2

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不安だから、その不安を忘れるために思い 切り汗をかきたいのだ。涼子は自分が 憮然とした表情をしているとわかった。 「再来週のレントゲンの結果を見てから 決めます。いいですか。」 よくない、と言ってやりたかった。 「わかりました。」 「お大事に。」 「ありがとうございました。」 今日も会計まで一時間、薬を受け取るまで 更に一時間待たされた。病院に来たのは 朝九時、出た時には十四時を過ぎていた。 涼子は駅前のイタリアンレストランで遅い 昼食を摂り、根岸線に乗った。関内で途中 下車し、有隣堂の医学書センターに立ち 寄った。
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