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急性心筋梗塞を発症するのは二パーセント。
初回心筋梗塞の死亡率は二十二パーセント。
心筋梗塞を起こしながら生きているのは
一万人に二人弱の確率である。
川崎病の既往も知らず、激しいスポーツに
興じながらこうして無症状で生きて来た
のは身体の神秘だろうか。それとも―――。
「遠隔期の治療についてはまだよく
わかっていないんです。本になる程患者
さんがいないのでね。患者さんの多くは
まだ若いですから。」
いつか小山は言っていた。たぶんその通り
なのだ。だとしたら、涼子の存在は研究
対象となり得るのかもしれなかった。
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