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小山は彼女が診察室を出て行った後、
カルテを書きながら思わずため息をついた。
自分の方が胃潰瘍になりそうな気がした。
他のどの検査も受けていて楽しくは
なかったが、トレッドミル検査は涼子が
最も気乗りがしない検査だった。理由は
簡単である。ベルトの上を歩くのが苦手
なのだ。スポーツセンターにも同じ
マシンが備え付けられていたが、前方の
バーから手を放すとズルズルと後ろへ
下がる。歩くスピードを上げればベルトの
スピードも上がり、走らなければならなく
なる。走っているとバーにぶつかりそうに
なる。まるでトレッドミルに使われている
ようで、一度で懲りた。
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