星の指輪 2

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小山は彼女が診察室を出て行った後、 カルテを書きながら思わずため息をついた。 自分の方が胃潰瘍になりそうな気がした。 他のどの検査も受けていて楽しくは なかったが、トレッドミル検査は涼子が 最も気乗りがしない検査だった。理由は 簡単である。ベルトの上を歩くのが苦手 なのだ。スポーツセンターにも同じ マシンが備え付けられていたが、前方の バーから手を放すとズルズルと後ろへ 下がる。歩くスピードを上げればベルトの スピードも上がり、走らなければならなく なる。走っているとバーにぶつかりそうに なる。まるでトレッドミルに使われている ようで、一度で懲りた。
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