星の指輪 2

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小山を呼び出す放送が流れた。生理機能 検査室前の廊下で待っている涼子の前を 日に焼けた小山が通り過ぎた。八月末の ことである。 トップスだけ検査着に着替えると臨床検査 技師に心電図の電極をつけられた。安静時 心電図を測ってからベルトの上を歩き 始めた涼子の左後方に小山は腕組みして 座っている。 「関川さん、苦しくないですか。」 「大丈夫です。」 「スピードを上げます。角度も少し上げます。」 「はい。」 同じようなやり取りが何度か繰り返された。
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