星の指輪 2

30/35
前へ
/35ページ
次へ
「午前二時ですから、就寝中です。薬は 毎食後と寝る前に一カプセルづつ飲んで 下さい。」 「先生。」 「何ですか。」 「私、出産できますか。」 「非常に難しいかもしれない。」 「そうですか。」 何故出産の可否を尋ねたのか、涼子白身 にもわからなかった。子どもは好きでは なかった。彼女か好きなのは高校生なのだ。 子どもを産みたいと思ったことはない。 この男の子どもが欲しいという男に 出会ってもいない。恐らく産まない だろうと今まで漠然と考えていた。 ただ、誕生日が来れば三十歳、ターニング ポイントが近づいているような気が していた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加