星の指輪 2

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薬剤師から舌下錠であるニトロの使い方を聞き、 涼子はカテーテル検査のときにスプレーされた のもニトロだったのだと気がついた。 〇時を過ぎていたが、駅前は人通りが絶え なかった。涼子はタクシーに乗り込んだ。 わたしは何故生きているのだろう。違う、 わたしは生かされている。でも、わたしで なければ出来ないことがあるとも思えない。 わたしはこれから何処へ行くのだろう。 病室の窓から見えた団地の明かりが漆黒の 闇を流れていった。
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