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伊坂矢高校 2年A組 教室 15時
あと15分で終わる授業中の教室。
そこに"人に聴こえない音"が、小さく鳴る。
ピシッ
「こら」
教室後方で小さく少女が"何か"を叱るような声が聞こえた。
指の形を見てみると、どうやら"何か"に向かってデコピンしたようである。
「授業中は立ち歩かない!」
まるで学級委員長のようなことを言いながら、"小さな妖"を叱っていた。
「ほっときゃいーのに。」
突然、少女の隣から声がかかる。
隣の席の青年が少女に向かって話しかけていた。
「どうせ、普通の人間には"視えない"んだから」
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