神ちゃんの願い

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神ちゃんの願い

欲しいものは何でも手に入る、手が届く。 「神様だから」 私が悲しくなれば雨が降り、機嫌が良い時は快晴だ。くもりの時は怒っているのだろう。 地球上で起こる自然という行為は私の気まぐれで起こされる。 だけど、神様にだって出来ない事がある。 それは、好きな人、愛している人の気持ちを捻じ曲げることだ。 人間の気持ち、行動を変える事は造作もない。それに変えてはいけないとい法律もない。 だが、同じ人間でも私が恋心を持っている人にはその行為をしては駄目な気がする。 彼に私が恋したのはいつだっただろう。 彼を発見したのは偶然だった。いつもの通り私は何気なく下界を覗いていたら、彼という人物からこんな願いが届いた。 (神様、僕の好きな人と二人きりにしてください) いつもなら、この願いなど無視してもっと重要な願いを叶えるはずだった。 それも気まぐれだったのか、何をその時胸に抱いていたかは今、考えても分からないけど彼の願い事を叶えることにした。 彼と彼の好きな人は二人きりになる。 「どんな告白なんだろうな?」 そう私は思い、見ていたが彼は結局少し話して別れてしまった。 告白をしたのではない、彼は羞恥心の余り愛の告白の言葉を口に出来なかったのだ。     
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