神ちゃんの願い

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それからも、同じ願い事が彼から届き、叶えるが結果は同じだった。 「ヘタレ」 何回も思った。同じ人間の願いを何度も叶えるという行為は良い事では無い。 最初の願いから数ヶ月が経ち、また彼からの願いが来る。 (神様。彼女が好きです、でも好きっていう言葉も出ません。勇気をください) 勇気を与えるのは簡単だ、でも彼には勇気を与えたくなかった。 自分でも良く分からない感情に困惑する。 その願いから、一週間、彼の住んでいる地域は雨だった。 これが恋って気持ちなんだ 雨が止んだ、次の日??彼は告白した。 彼と彼の好きな人は今日も横に並び笑顔で登下校している。 そんな彼が、また願い事をする。 (神ちゃん、ありがとう。勇気をくれて) 神ちゃんとは私のことだろうか、いつも人間から神様と呼ばれてきた私にとって新鮮な気分に浸れる呼び名だった。 そして、その呼び名にとてもドキドキした。 私が悲しくなれば雨が降り、機嫌が良い時は快晴、くもりの時は怒っているのだろう。 そして、ドキドキの時は綺麗な夜空。 私は夜空に願う。 「彼が幸せになりますように」
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