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その小さな村には、住人達よりさらに不思議な力を持つ男の子が住んでいました。
男の子の名前は、”エトワール”。
年上でも年下でもない『君』と同い年です。
サラサラした金髪で青い目をした男の子、家の近くの草原でお友達と駆けっこをすることが大好きな男の子です。
それじゃあ普通の子と変わらないって?
エトワールはそれだけじゃないのです。
楽しいことがあったとき、みんなも声を上げて笑うよね?
エトワールだって同じなのに、彼の笑い声は消えてしまうのです。
どこに消えてしまうかというと…
そう、自分たちを見守るあの夜空の中に消えちゃうのです。
エトワールが笑うと、その笑い声はキラリ、ピカッと瞬く間に輝きだして宙を駆けあがるように夜空に上っていくのです。
小さな街でエトワールは大人たちにこう呼ばれていました。
《星吐き少年 エトワール》
エトワールはなーんにも悪いことはしていないのに大人たちはそう呼んで彼を蔑むのです。
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