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「そんなんじゃないよ、彼らには価値があるんじゃない?養ってる人にとっては、それに家事手伝いしてる人とかもいるだろうし」
「おう」
相変わらず失礼なガキだなと思う彼であった
「もし、もしだよ、周囲の人間に害しか及ぼさない人間がいたとして、その人間を閉じ込めて生かしたままで管理した、そしてその害ある人間は別に殺せないわけじゃないし、殺しても別にいいとしてさ
ああそうだ人間じゃ罪悪感が湧いちゃうかもね、じゃあアリみたいな存在で行こう、こんなアリみたいな存在を生かす価値はあると思う?
マイナスな価値は抜きにしたからアリが消費する食べ物とかは価値には含めないし、ゴミ拾いの人と違って周囲の環境に影響を与えるわけでもないからアリを管理する人間以外には害も益もない、このアリを管理する人間にとってこのアリは生かす価値はあるのかな?」
子供は相変わらず透き通った瞳で真っすぐに彼を見つめた
子供の口は少し微笑んでいるが目が笑っていない、彼は無意識のうちにこの子供から少し、ほんの少しだけ距離を取っていた
「ああ、アリが好きな人は、とかそんなのは止めてよね、あくまで殺してもどうとも思わないし、死体の処理にも困らない存在って例えなんだからさ」
子供は彼が下がった距離の分以上にずいと近づいた
「…人の価値は人次第だ」
「どうゆうこと?」
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