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謂わば顔パスというやつだ。
しかし確かに、国に辿り着くまでに、関係の無いイスマズルカ人とバッタリ出会って、注目を寄せられるのもまずい。
結果、半分程の食糧を家の中に残した。
これでも普通の人間からしたら、充分大荷物と言えるだろう。
「まあまあ、菓子でも食え」
菓子と聞いて子供達が食いつく。
クーデリカもほんの少し身を乗り出す。
袋を下ろしごそごそとやると、すぐに俺が作ったセンベイもどきが出てきた。
キトパが醤油を持っていてよかった。
このワヴィサヴィのある景色には、これがぴったりだろう。
ヤンにセンベイを手渡すと、何故か目が輝きを失っていった。
「………………どうも」
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