普通という概念の為にある宗教

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交易路を見つけたので、馬車の間に紛れて踏み鳴らされた土の上を歩く。 それなりの人数がいたが、徒歩数人の集団は決して珍しくなく、我々を注視する者はいなかった。 暫く進むと視界が開け、石レンガ造りの城壁が姿を現した。 「何あれ、すっげ」 「国と国の境って、こんな風になってるんだ」 「…………」 端を探しても終わりの見えない長砦。 その壁ですら覆い隠せない高さの三角塔と、神木『アヌイザ』。 その巨大さに、クーデリカも目を見張る。 「これがライマ。 今日から我々が居を構える国であり、それは世界征服への第一歩であるぞ」 「……期待、できそうね」
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