27話「呪詛談義」

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 呪詛。呪って、また詛う。おどろおどろしい言葉だ。梓はうんざりした気持ちになった。 「ええ。ただ……警察が介入できるのは、あくまで補助的なことに限られるだろうけど」 「呪いに関係が薄いような捜査は可能ってことですね。あとは私達で、本格的に呪いの正体を突き止めて、それを除去すると……」 「連中、頭、固いから。苦労かけるわね」 「いえ、それが私の仕事ですから。呪いだと絞られて、やり易くはなりましたし」 「そういうもんなの?」 「はい、呪いには必ずルールが存在します。強力ならば、強力なほど、そのルールの縛りはきつくなるでしょう。そうなれば、そのルールを満たす過程で、どこかに手掛かりは残るはずですから」 「ルールからの考察も出来るってことね……確かに呪いだったら怪しげな仕掛けとかは、呪いが実行された場所の周辺にあるはずだけど……これだけ犯行現場を漁ってたら一人くらいそれっぽいのを見つけてもいいと思うのよね。でも、それらしい証拠は発見されなかった。だから、あたしは呪いだって線は、それほど考えてなかったんだけど……うーん……」  杏香は唸って悩んでいる。     
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