27話「呪詛談義」

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「呪いが成立した瞬間に消えるタイプの仕掛けなのかもしれないですね。人形、刃物、記憶媒体……呪いが発動した後も残るような証拠がでないということは、それらを使わない方法か、手元に置いておいて遠隔で発動させるタイプか……」 「そっかそんな方法もあるわけか……ん? となると、どちらにせよ、方法は相当限られてくるから……逆にそこから糸口が見つかりそうね」 「はい。いよいよ大詰めになってくるです」  人による呪いだということは、これほどの呪いを使いこなす犯人とも、なんらかの直接対決をしなければならないということだ。  その対決は、もう間近かもしれない。  希望が見え、梓の心は少し軽くなった気がしたが、入れ替わりに緊張が押し寄せてくる。 「証拠が残らないタイプだと、主に刻印とか呪詞(じゅし)でしょうか」 「刻印だとすると、犯人は刻印を刻むために、一度現場に行かないといけないってこと?」     
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