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「はい。あと大きく可能性を絞ることができるのは……呪いのルールを解析することですね。例えば代償の大きさとかでしょうか。リスクが小さければ小さいほど、自分が失う物は大きくなるというのは、呪いの基本的なルールですし」
「まあ……理には適ってるわね。より強力な呪いには、より強力な代償が必要になる……か……」
「はい。そして今回の場合、連続殺人です」
「つまり、犯人は相当な回数、呪いのルールに応じた代償を払っているってことね。となれば、強力な呪いなんて使えない」
「はい。先に本人が死んじゃうですからね」
「なるほどね」
「ただ……団体が行っているとなると話は別ですけど」
「団体か……え……それって……つまり」
「被害者の何人かは、その団体の人間ってことになるです」
「おおごとよ、それ。思ってたよりずっと。それってつまり、組織的なテロ……!」
杏香の顔が、途端に険しくなる。
「考えたくはないですけど……」
「ええ……でも、あたしが考えるに、可能性は低そうだけどね。それなら被害者がこの程度だと、むしろ少な過ぎる」
「ああー、確かに、言われてみるとそうですね。少しホッとしたかも」
「無視はできないけどね。でも、愉快犯だと考えれば、この中途半端さにも納得がいくでしょ」
「そうですね……」
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