26話「呪いを用いた大量殺人」

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「あ、いいですよ。そんな大げさなことしなくても」 「そう? だいぶ参ってるように見えるから……」 「参ってないっていったら嘘になるですけど、そんなこと、いってられないですから。さ、上がってください」 「うん……無理しなくていいのよ?」 「無理なんてしてないですよ。さ、上がって奥で話すです」 「そう? じゃあ……お邪魔します」  梓は杏香を引き連れて、さっきの部屋に戻った。梓は部屋に入るなり、杏香にコタツの対面を進め、杏香がそこに座ると自分も杏香の対面に座った。 「あ、コタツはついてないのね……って、この暑い時期につけるわけないか」 「そりゃまあ、まだまだ暑いですから」 「そういえば、いつも置いてあるわね。てか、片づけないの? コタツ」 「掘りごたつだから、片づけないですよ。足も延ばせるし、テーブル代わりにいいでしょ?」 「確かにね。さて、本題に入るけど……今回、他とちょっと変わったところがあったの。それがどういう意味を持つのかは、まだ分からないけど」 「変わった箇所はあったけど、証拠としての価値はまだ無いってことですね」 「ええ。証拠というにはちょっと弱いけど……解析次第ね」 「そうなんですか。何があったんです?」 「杉村の手の平なんだけどね」     
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