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「いえ……もっと別の事も悩みの種なんです。この事件、人間が起こしてる可能性が高いということが……」
「人間が……?」
「はい。不特定多数の人がやられてるわけですから、呪いの類ではない可能性が高いんですが……いえ、高かったんです」
「高かった……つまり、呪いだと?」
「はい……」
杏香は梓の僅かな表情の変化を読み取った。梓は苦虫を噛み潰したような気持ちでいる。
「考えたくなかったですけど、これは人による、呪いを用いた大量殺人です」
「梓……」
梓が意を決して口に出した言葉をきっかけに、部屋を重苦しい空気が支配し始めた。
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