26話「呪いを用いた大量殺人」

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「いえ……もっと別の事も悩みの種なんです。この事件、人間が起こしてる可能性が高いということが……」 「人間が……?」 「はい。不特定多数の人がやられてるわけですから、呪いの類ではない可能性が高いんですが……いえ、高かったんです」 「高かった……つまり、呪いだと?」 「はい……」  杏香は梓の僅かな表情の変化を読み取った。梓は苦虫を噛み潰したような気持ちでいる。 「考えたくなかったですけど、これは人による、呪いを用いた大量殺人です」 「梓……」  梓が意を決して口に出した言葉をきっかけに、部屋を重苦しい空気が支配し始めた。
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