朝に瞬く星

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10月中旬、高校2年の佐藤 柚葉(さとう ゆずは)は、数学担当の担任、生田 春夫(いくた はるお)に放課後職員室に呼び出された。 柚葉は職員室のドアを開けて壁ぎわの机に座っている先生を見つけて、そこへ向かって歩いた。 「先生、話ってなんですか?」 「実は、クラスの桐山 奏多(きりやま かなた)についてなんだが、あいつ今、学校にここ2ヶ月位全然来てないだろ。だから家に行って桐山に学校に来るように説得してくれないか?」 柚葉は怪訝そうな顔で言った。 「なんで私なんですか」 「お前高1の時、半年位不登校だったろ。だからお前なら桐山の気持ちが分かってやれるんじゃないかって思って」 柚葉は困った顔をした。 「でも私、桐山くんとは全然話したことないし…」 「頼む!俺も何回も桐山の家行ったんだが、先生には何も話したくないって言うんだ」 「そうなんですか…分かりました。私、先生には不登校だった時助けてもらったんで」
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