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「何?なんか用?」
桐山は眠そうに言った。
「桐山くん何か悩んでいる事とかない?」
少し沈黙があった。
「何もねぇよ。てか今、人と話したくないから帰ってくれない?」
「あっ、ごめんね急に。また来るよ」
柚葉はそう言って部屋を出た。
階段を降りると桐山の母親がリビングの扉から出てきて柚葉に話しかけた。
「あの子…何か言ってた?」
「いえ、何も。ただ人と話したくないからって」
「そう、ごめんなさいね。あの子母親の私にも何も話そうとしないのよ」
「そうなんですか…あの、また来てもいいですか?」
「もちろん、あの子の話し相手になってくれたら助かるわ」
「ありがとうございます。おじゃましました」
柚葉はそう言って桐山の家を後にした。
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