自覚

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喧嘩するといつも言われる自分勝手という言葉、意味も調べた。 でも、分からない。なぜ嫌なことに合わせなければいけないのか。 「自分勝手」広まった先に待っていたのは孤独だった。 誰にも相手されない、悲しいものだった。 誰にも相手にされないのは嫌だ、一人でもいい時もあるけど、ずっと一人は辛かった。 それから、人に合わせるということを、気を遣う、顔色をうかがう、人を知るということをした。 他の人と全く考え方の違う僕は、本から、人の行動から、学んだ。 少しずつ、少しずつ理解できるようになった今、あの頃の僕は人間じゃなかったのだろうと思う。 なぜなら、自分の失敗を悔やみ、一日中やってしまった過ちに謝りつ続けるということを、幼き僕はしていた。 母にも毎日自分の失敗ばかり話すものだから、僕の話はつまらないと言われたぐらいだ。 そんな人間じゃない幼き僕。今じゃ人間になれたと思っていた。 でも違った。 やっぱりおかしいと築かされた。 さっき言われたんだ、団体行動ができてないって。 自分はやっぱり人とはどこか違う。人と同じではなければいけないのに。 自分の意見は採用されない、それは人間の意見じゃないからかもなと。 寂しく一人で自己解決した。 親にお前は病気になりそうとよく言われたけど、とっくに病気だったのかもしれない。 自覚、僕は病気だ。人の心を、本から学んだスッカラカンな頭だ。 合わせよう、この黒く真っ黒な自分が隠れるように。自分を捨てよう。 新しい学校で。
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