episode 1 ローズガーデン…薔薇の庭園に住む美しき主人

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ロイの息子ロディは前線基地ルナークの砦でゴート騎士団を束ねるルリアンより4歳歳上の18歳である、彼は落ち延びて来た従兄弟を最初に救った実力派、追随する白狼騎士をルナークの砦で迎え撃ち功績を挙げて居る。 この時、ランスロット、ルカイン、そして従兄弟のルリアンは一般市民の様な格好で煤汚れていたのだがルリアンの事は良く知っていて敢えて彼等を迎え入れた。 『たった3人の一般人をこの様に複数人で襲うとは言語道断、これ以上追随するならば命無き者と覚悟せよ!』 これはロディが追随する白狼騎士達に放った言葉である、しかし、白狼騎士達は強引に押し通ろうと兵を進めた為、彼の号令と共にゴート騎士は白狼騎士等を一掃、壊滅状態に追い込み四散させた。 その後の事は知らないが四散した白狼騎士達は先にルリアン達と手を組んでいた山賊の集団に次々と襲われ命を落とし、生きてサウス・ガーデンに戻れたのは僅か2名程、しかし彼等は受けた負傷が原因で数日内に何も語る事なく死亡した。 その後、騎士団領からの圧力にサウス・ガーデン側は追撃を断念、山賊の縄張りでルリアン含む3名の衣服らしき物を死体と確認し3人は死亡したと思い込んだと言う、実はこれもルリアンが講じた策略であり確認された死体は実は首を刎ねられた白狼騎士の面々に衣装を着せて放置した物。 それをする事で水や食料などを行商人から譲り受けれる手配となっていたのである、彼等の目的は金よりも水と食料、更に行商人とは武器などの裏取引もしていた為、白狼騎士の退路を封じ彼等を仕留める事で換金用の武器や鎧に至る物を搾取、行商人と取引しお金も手に入れる事が出来たのである。 一連の流れを作ったのがルリアン王子。 それもこれもルリアンがこの辺り全ての地形と地の利を掌握していた事が交渉の素であり、この山賊集団がサウス・ガーデンの元住民であった事も十分解っていたからである。 賊の出現が3日間紛争後に確認され始めた事から住処を失いこの山奥に集落を作っていた事もルリアンの想定通りで成り立ったものであった。
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