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「率直に申し上げますと…まだ細かい部分は出来ていないかと…別段それが必要と言う訳ではないのですが、下手にそう言う部分が顕著になると足下をすくわれかねないかも知れません」
「はっきりと言う…」
「貴方だからこそです、元より殿方が淑女になると言うのは難しい話です、それでもレム様はまだ良く出来てる方です、こんな言い方は滑稽ですがきっとレム様の前世と呼ばれる存在は女性であったのかも知れませんね」
「私の前世…ね、でも確かにそうかも知れません、最近ではちゃんと出来てるか不安になる反面この格好に違和感はないのです、不思議な事に…」
「宜しいではありませんか…その御心があるならばレム様はレム様として更なる女性化が期待出来ますし男性である窮屈感も覚えるかも知れません」
会話の後に2人で少し笑みが零れた、その身を守る為に女装してそれを演じる…普通の男性ならそんな事は考えもしないだろう、敢えてそれをやり切ろうとするレムは特殊なのかも知れない、ティーカップに注がれた紅茶を口に含みふっ…と一息着くとメイリン以外の使用人が少し慌てて部屋に来て事の次第を伝えた。
「あの…レム様、お客様ですがお通ししますか?」
「客…ですか、何方ですかリーリア」
レムが聴く前にメイリンが応対しレムが振り向くとそこには見知った顔の男性が1人、リーリアの背後に立っている。
「………!!」
「ロディ王子…一体これは?」
その男性は叔父ロイの息子ロディ…先般落ち延びて来た3人を迎え入れた本人であった、変わり果てたルリアンの姿に少し戸惑い
「本当にルリアン…なのか?」
そうレムに問う。
レムは立ち上がり本物の女性の様に歩いてロディに近付くと深呼吸をしてから答えた。
「ええ…そうです!私がルリアン…今はレム・フラン・ローズとしてこのローズガーデンに居ます…驚きましたか、ロディ?」
「い…いや、父上から性別を偽り今はローズガーデンに住んでいると聞いて居たから…しかし」
「どうかなさいましたか?」
「な、何と言うか…その、同じ男としては複雑だが、まるっきり女の子じゃないか…お前」
「お褒め頂いてるのかしら?」
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