episode 2 西国へ

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共和国は現在、シラン国とジアス国の関係が少し冷え込んでいるらしく奇策を講じたレムを好評価していた、その序でに国同士の調和方策を聞かせてもらいたい旨を使いの者が伝えて来たのである。 ウィンダミル卿は60代後半のご老体で両国間のつなぎ役をこれ迄担って来たパイプ役である、原因は彼の引退が囁かれる中次のパイプ役をどうするかと言う内容…普通はその様な重要な事を14歳の少女に話したりはしないのが当たり前だ、しかし、レムのこれまでの評価は一目置かれるもので、是非とも意見を聞いてみたいとウィンダミル卿自らが話したと言う。 「内容は解りましたが…私にどの様な意見が出せるかは解りません、つきましては来月初め一度共和国に赴き現状把握をしたく思います、保安上数名の騎士を同行致しますが攻撃の意思はない事をご承知置き下さい…ご返答として申し上げますのでウィンダミル卿にも重々その事をお伝え願います」 内輪会議の最中に起きた出来事で会議は一旦中止しての応対、しかし、今回の話はかなり難しい物だ、まだ宰相にも付いていないのに国の未来を考えなければならないと言う非常に重要且つ大事な内容、こんな自分にあのウィンダミル卿が意見を聞きたいなんて想定外。 使いの者にそう伝えると彼は嬉しそうにローズガーデンを後にし、直様レムは使いを叔父に送りその事を伝えるよう指示すると再び会合を再開…話し合いが纏りを得たのは夜も遅い時間帯であった。 ☆ 孤児院設立と新たに侍女としてローズガーデンに迎え入れる話は叔父や叔母から快く承諾された、邸宅内でも孤児院設立に向けての有力者会合が行われ、孤児問題に心を痛めた人達は反論する所か更なる資金提供を申し出る者の方が多くこの計画はレムの中で高い評価を下された物となった。 早速、各管理区から無償で大工や装飾士、医師や看護士迄もが協力を申し出ている、複数の人を精査しながら人員を決めて行くレム、その作業は正しくレムや使用人達が総出で行う事となり視察に来た叔母のアイリスは『これは貴女の人徳が招いた結果、私も鼻が高いですね…』と上機嫌、序でにレムや使用人の行う作業を自ら手伝った。 一連の作業に目処が立つとアイリスが先に伝え聞いた共和国訪問の話を始める
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