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内政的な話はとんど理解し難い彼には何のことやら解らなかったが、少なくともレムに危険が及びかねない場所は把握した、後は常にロディと副官のトーラスが追従し万全を期す体制をする旨をレムに通達すると、遅れてナナキが広間に顔を出す
「この子は?」
「彼女は私の直属である隠密部隊のリーダーです、私が共和国を訪問する際彼女には色々陰で動いて貰います、勿論非常事態には私の警護も請け負う事になっていますから貴方には教えて置きます」
するとナナキはロディの前に片膝をついて頭を下げながら自己紹介を始めた。
「ナナキと申します…レム様の警護やロディ様の連絡員としてもお世話になりますので宜しくお見知り置き下さい」
「ロディ・シュナイダーだ、宜しく頼む」
「所でレム様…こちらのお方は御婚約者であらせられますか?」
ナナキの無垢な表情から繰り出した言葉に2人とも真っ赤になって体制を崩す、すかさず状況を把握したナナキは改まって
「違い…ましたか…?」
「あ、当たり前です!彼は世話になっている叔父様のお子様…とてもその様な関係ではありません、幼い頃から見知った従兄弟です」
「そ、そうだ…婚約した間柄ではない」
苦笑いしながらナナキの発言を丁寧に否定するが、ナナキは更にだめ押しとばかりに
「従兄弟同士など…側(はた)から見たら良きパートナー以外にしかみえませぬ、もっと言えば夫婦と変わらないではありませんか?」
そう言って笑顔を零した…二の句の告げない2人は思わず押し黙り暫く会話が途絶える、やがてドキドキとしながら再会した時にはすっかりナナキの顔は満足気だったのである
「話を戻しましょうか…」
「そ、そうだな…兎に角、向こうでは三人一組体制で警護に当たろう、ナナキは連絡員を頼む、レムに万が一が起きては将来の光が閉じてしまうからな」
「承知致しました、戻りロキとヌーラにも伝えてまいります、レム様…薔薇の紋章は?」
「既にメイリンが用意しています」
「では、それを受け取りに行ったのち2人に届けてまいりますのでこれにて…」
「ええ…活躍を期待しています」
「お任せ下さい…では」
ナナキはそう言うと音もなく2人の前から姿を消した。
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