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レムは一旦その話を胸にしまい笑顔を返す、バッツは会釈で返すと再び子供達の群れの中で東奔西走するニコルの元へと走った。
「なんだ、レム…バッツと話し込んでいた様だが面白い話でも聞いたか?」
「ええ…将来の展望みたいな話ですよ、この仕事を片付けたらお話しします、ナナキ準備は良い」
「はい…レム様」
それを確認するとはしゃぎ回る子供達や大人達を呼び寄せ作り上げた食事を振る舞った、子供の笑顔が溢れ返り暫く振りの食事に大人達の心も解されて癒された、先導してきたリースなどは涙を浮かべてレムやロディ始め来てくれた人々に何度も感謝の礼をしていた。
「久々に良い事をした気がするが、これでよかったのだろか?」
「何を言われるのです、ロディ…民衆の笑顔こそ答えではありませんか?」
珍しく並んで切り株に腰掛ける2人それはまるで夫婦の様に目に映りこみナナキはあの広間での2人に言った事を思い返して笑みをこぼしている、そんな中リースに手を引かれて2人の前に来た少女が目を輝かせながら聞いて来た。
「お兄さんとお姉さんはご夫婦なのですか?」
「えっ…?」
「君のお名前は?」
「ヨニ!」
「ヨニちゃんか…ごめんね、俺と彼女は…」
言いかけた所でレムが口を塞いで首を左右に振り、リースに頷いて返された所で笑みを見せてから語った。
「そうですよ…私はロディ王子の妻、レムと言います、私達夫婦は皆んなが幸せになれる様に日々頑張っているんです、必ずヨニちゃんにも幸せな日々が何れ来ますそれまではリース先生をしっかり助けてお勉強もして下さいね!そうすればまた私達に会える日がやって来ます、私とヨニちゃん…2人のお約束ですよ?」
「はい!レム様…私、頑張ります!!」
満面の笑みを浮かべたヨニが2人に花束を渡して走り去って行く、リースは微笑んで会釈するとヨニの背中を追って行った。
ロディが2人を見送る隣でレムを見ながら照れ臭そうに顔を赤らめて聞いて来た。
「お前な…子供に嘘はダメだろう?ヨニが完全に誤解してしまったではないか…何でだ?」
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