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「何故そう思う?」
「これは古来より言われて来ている事で従兄妹同士の婚姻は国の破滅を掲示する危惧すべきものであるとされています。何故かと言えばその様な環境に生まれし子供は体が弱く短命であり、血の繋がらない里子を迎え入れてもその者はいつ違う道を進むかわからず、故に国は疲弊し何れは滅びの道を辿るであろうと言われてるのですよ?」
「成る程、過去の偉人はその様な言葉を残す、実体験を元に書き記すと言うが…正直当事者でなければ判らない事で迷信の様なものでもありそうだが…」
「迷信でも侮れません…事実、サウス・ガーデンの民には他人の血を快く思わず遠縁から嫁なり婿なりを貰う習慣がありました、 結果を話せば従兄妹の間柄では生まれた子供が短命だったと言う話も聞いていたので」
「怖いな…」
「まあ、近親者同士の婚姻はない方が良いのかも知れませんね…それよりも」
「ん?」
「ヨルドへの道筋、どうします?」
そう…今回の目的はシラン・ジアス共和国での仕事である、しかし、普通に歩けばヨルドの村までは丸1日掛かる、そうすると予定は1日ズレ帰国も1日遅れてしまう。
困り果てて頭を抱えるロディだったが1人の少年が2人の前に来ると語った。
「東側の道を抜ければヨルドへの近道です、道は整備されてますが坂道ばかりで奥様にはかなりきついんですけどどうします?」
「君は?」
「おいらはポプリです」
「ポプリか…しかし、その道を通れば時間短縮になるのだろう?」
「正当な道だと多分1日かかりますけど、その山道を通ると3時間程で正門ではなく裏門に出ます、おいら達はその道を通って薬をもらったりしに行ってるので」
「成る程…どうしようか、レム?」
「使わせてもらいましょう…今から行けばトーラス達に追い付くかも知れませんよ、私の事は心配に及びません行きましょう、ロディ」
「解った、お前が良いのなら行こう…ポプリ道案内を頼めるかな?」
すると、ポプリと名乗る少年は自信ありげに胸をポンッ…と叩いて笑顔を見せた。
一行は持ち込んだ3日分の食料をリースに渡すと水だけを手にして準備を整える、用意が終わるとポプリの先導でその山道を移動し始める。
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