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騎士団領首都ゴート、ここは要害堅固の城廓（じょうかく）として名を馳せるルーメラー城と言うゴート騎士団の拠点がある、このルーメラー城を治めているのがルリアン王子の叔父にあたるロイ・シュナイダー…シュナイダー家の現当主だ、彼はアースレイの実の妹アイリスと婚姻しローグ家の姻戚となった。
何度か命の危機をかい潜りランスロット、ルカイン、ルリアン・ローグ王子は三日間を有してこの騎士団領に落ち延びた、実は先刻の動乱で甥であるルリアン王子の事を気にかけていたロイ…無事生還して対面した時には余りの嬉しさに彼を抱きしめて涙を流したと言う…一連の流れをランスロットから聞き及んだロイは大いに憤りを感じたが義兄の弔い合戦と言う名目でゴート騎士団を動かすのは甥のルリアンに止められ振り上げた拳も懐に納めた。
「叔父上…申し訳ありませんがこちらで我々を匿っては貰えませんか…国の大事は後継である僕の責任です、父上も万が一には力を蓄え叱るべき時に国を奪還せよとおうせでした、僕はこれを実行すべく行動したいと思っています、ご検討願えませぬか？」
まだ８歳の後継者にここまで言われては流石のロイも首を振り軍を動かしてサウス・ガーデン奪還に踏み切る訳にもいかない、何故かと言うならルリアンこそがサウス・ガーデンの後継者であり彼のプライドを傷付ける行為は騎士として有るまじき行動と考えているからだ、騎士は本来対戦相手にも敬意を払うもの、ここで行動すればルリアンに敬意を評していない事になる、彼の意見を尊重したロイは改めてルリアンに問いかけた。
「ではルリアン…お前はどうしたい？」
「はい…現状では僕に部隊を統括する力量はありません、僕は象徴ではなく国を束ねて行く義務があると思うんです、ですからその基盤を叔父上の元で学ぶと同時に、叔父上の治める騎士団領に害が及ばぬ様、暫くは性別を偽り生活しようと思います、先ずルリアン王子は逃亡中に野盗の襲撃を受けて命を落としたと噂を流して頂きます、勿論細工は準備しますし歩いてみて気付いたのですがグリーンヒルは小高い丘の緑深い森林です、事実我々は野盗と思しき者と対峙もしました…この事からそうであっても何ら不思議ではない事を印象付けし情報の撹乱を図ります」
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