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ヨルド村の中で再び再会を果たした一行は、代表としてロディとレムが村長に挨拶に伺い一夜の寄宿舎を用意してもらった、夕食を頂きシャワーをナナキと交代で浴びロビーへ戻るとロディとトーラスが明日の事を話していた。
「明日は共和国の一番街であるムヨルドだが、レムの警備をどう振り分けようか…」
「それは常にレム様の目の届く範囲を巡回するしかないでしょうな、私はムヨルドよりもその先の会合地である港町ラ・ムゥの方が余程問題がある様な気がしますあそこは共和国内とは言え国境の交差する場所、どの様な輩がいるか解りませぬ」
「確かに…しかし、あそこの四者会談の場は国境警備隊が厳戒態勢を引くのだろう、我々は何処に控えて置こうか?」
「その国境警備隊と言うのが怪しくありませんか…空気が悪いのに何故彼等が警備をするのです?」
「それなら…明日の早朝、私の部下達をウィンダミル卿に合わせ話しをさせましょうか?」
「レム…ナナキ」
気になったのでレムはナナキと2人意見を出す、確かに冷めた関係の両者が国境警備隊を派遣するには少し疑問が残る、国境警備隊はそれぞれの国から選抜された人間で組まれているので冷めた関係では十分に機能するとは思えない節がある…だとしたら一層その警護を思い切ってロディの連れて来た精鋭であるゴート騎士団に任せてはどうかと考えた上でのレムの意見だ。
「成る程…レム様の意見は参考になりました、しかし辿り着くまでに話は収束しますか?」
「トーラス…私を軽んじないで下さいね、その様な交渉は何度となく彼等はこなしています、私達がムヨルドに到着する前には収束してるでしょう…ねっ!ナナキ?」
「万事お任せ下さい…レム様の使いとウィンダミル卿が知れば話しを聞くと思います、それに…両者の腹の底には実権を我が国と願う節が感じられます、四者会談の折にウィンダミル卿を亡き者にしないという保証は皆無…ならば予測不可な国境警備隊に警備を任すというのは些か虫が良すぎる気がします」
「そうね…ここは隠密部隊の腕の見せ所、ナナキ…警備に気付かれずウィンダミル卿の所へ潜り込むのは可能?」
「御意にございます、我々ククル族はその手の作業には向いています、確実に見つからず辿り着けます」
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