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「驚きました、それ程有名な騎士団だと言う事…私は聞いた事がありません、ゴート騎士は敵が持つ誇りと言えども過小評価せず名誉を重んじる騎士団としか聞かされてませんでしたから」
「それは間違いではありません、姫様…我々はたとえ敵でも無下にはしません、勝利の暁には敵対した騎士の誇りも重んじ亡くなった誇り高き騎士をちゃんと埋葬し墓標なども築きます、その様な騎士団ですから中には敬愛する人々も居るのです」
「なるほど、この光景を見ていれば確かにそうだと理解出来ます、やはりゴート騎士は戦うためだけにあるわけではないのですね?」
進むに連れ人の声も耳に入って来る、内容はやはりこの勇壮な騎士の行業を讃えたり恐怖を感じたり…完全否定する声は聞こえなかった。
一行はムヨルドの街の中にある寄宿舎へ入った、寄宿舎を管理する管理人はその光景に敬愛の意を込めながら接待をして来る、過剰過ぎではないがそれなりに優遇されて居る扱いだ、近年あまり見る事の無かったゴート騎士団の行業だけに主人はかなり気分が高揚して居る様だ、ご丁寧に遊女の様な女性迄差し向けようとする、だが、これはロディがキッパリと断りその話は無くなった。
しかし…
見て居るだけで凄い優待ぶりが伺える、馬を降りた騎士団員には冷えたオシボリの様なものが手渡され馬も馬房で汚れを落とされ鞍なども一斉に洗われて行くまさにビップ待遇とはこの事だろう。
呆ーっと一連の様子を見ていたレムにも世話役らしき人物が来たがそれが女性である為万が一を考えて丁重に断りを入れた。
まるで宴の様な夕食に舌鼓を打つレムや騎士団の面々、ロディに関してはお酒迄振舞われていたが、流石にそれは断っていた、そんなロディの側に行き隣に座るレムもうこんな光景は慣れたものだ、まるで妻の様に振る舞い些か意地悪な事も…
「レム…そんなに寄り添わなくても良いぞ?」
「緊張してるんですよ、私は」
「いよいよ明日だからな…俺も緊張はして来て居る、しかし、お前はちゃんとゴート騎士団が守るから大舟に乗った気持ちで挑め!」
「そうですね…」
ロディの身体に寄り添う様に身を預けるレム、満更でも無いのかロディもそれを拒む事はなく、夕食は大団円のまま終了した。
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