episode 1 ローズガーデン…薔薇の庭園に住む美しき主人

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これまでは作戦の全てをロイが決めていた為稀にミスをしたりもした、能力の高い参謀長官を手に入れたいと常日頃考えていて、妻にサウス・ガーデン近衛騎士隊の話を良くしていた、その話の中で彼の名前が上がり最初から除隊後に参謀長官として迎えようと思っていた。 その矢先に起きた『3日間紛争』で甥の心配をする傍ら近衛騎士隊の事も気に留めていてまさか落ち延びた中にランスロットが居るとは思わなかったが正にそこで彼と再会、近衛騎士隊の状況も芳しいものではないと聴き彼に話を持ちかけたのである。 ランスロットは痛く喜びルリアンに事の次第を話した所「叔父のお役に立てるなら…」と快く除隊を承諾したと言う、側に天才騎士と称されたルカインがいた事もこの話を承諾する決め手になった。 「ランスロット…1つ聴きたい」 「何でしょうか?総督」 「ルリアンは妻の話す通り切れ者なのか?」 「はい…実戦となると頼りなき所はありますが、王子の外交手腕と知略に於いては私も一目置くほどに切れ者です、今の様に隠密作戦など直接刄をぶつけ合う実戦ではない内政関係は正直お父上様よりは高いかと…まだ14歳であの手腕は流石と言わざるを得ませんね」 「末恐ろしい甥…と言う事か?」 「彼の方がサウス・ガーデンを取り戻し宰相となられた暁には新たな物が次々生まれましょうな…これは世辞でも何でも御座いませんよ、総督」 「それは期待高まるな…」 甥の評価にかなり機嫌が良いのか、声は出さずとも溢れる笑みを伺う限り甥の成長を楽しみにして居る風に思える…ランスロットはそれを見届けるとゴート騎士団の在り様をどうするか検証する為に会釈をして騎士団の待機所に足を運んだ。 入れ替わる様に妻のアイリスが部屋に入って来た。 「随分とご機嫌ですね、あなた…」 「んっ?そう見えるか…実はランスロットに甥ルリアンの評価をして貰った所、実戦向きでは無いが内政は天才だと言われたのだ…嬉しいでは無いか」 「それは何より…ランスロットはルリアンの成長を間近で見て来た男、彼がそう言うのなら私達の甥はそう言う存在であると言う事でしょう…息子のロディと組ませたらかなりのものになるのでは?」 「かも知れないな…ロディは実戦派、守備派のルリアンと組ませたら面白い事になるぞ!」
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