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第6章 確かめたいこと
「それぞれの本に貼られている図書館のバーコード。
このバーコードの下に書かれている八桁の数字がありますよね。
この番号の左側から二桁の数字は五十音表のなかの一文字を表しています。
左側の数字が行、右側の数字が段です。
例えば『桜』だったら"さ"はさ行のあ段で『31』、"く"はか行のう段で『23』、"ら"はら行のあ段で『91』。
この三文字を表すために三冊の本が必要となります。
私がたまたま見かけた本棚には『11』、『92』、『2110』、『45』、『13』とありました。
三つ目の『2110』が初めは分からなかったのですが、濁音は点だから10ってことなんですね。
それを踏まえるとこの五つは『あ』、『り』、『が』、『と』、『う』となります。
この言葉を元に他の棚も見てみたところ、英文学の棚には『20』、『8』、『1』、『14』、『11』、『25』、『15』、『21』の八冊が置かれていました。
この場合は数字を全てアルファベット順で並べると『t』、『h』、『a』、『n』、『k』、『y』、『o』、『u』と読むことができました。
また他の棚には作者名の頭文字、タイトルの頭文字を繋げると『ありがとう』という言葉が浮かび上がってきました。
あらゆる本棚にたくさんのありがとうが詰まっていました。
最初はなんでこんなにバラバラなのか全くわかりませんでした。
いつも樋野さんが綺麗に並べてくれるのに…って。
けれど、わかった時は、今までで一番綺麗で、美しいと思えたし、優しい気持ちになれたんです。
それに、今お話を聞いて納得しました。
樋野さんは、この図書館にお礼が言いたかったんですね。何か形に残して」
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