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「……最悪だ……」
どう思い返しても、挙動不審以外の何物でもなかった。せめて、何か買い物をしてから出るべきだっただろう。おにぎりのことだって、何もあの場で言う必要などなかったのに。
普通の態度を取れば良かったのだ。ただ、普通に。
(でも……あぁいう場合の普通って、どんなんだっけか……)
もしこれが昨日のできごとだったとしたら、花木とその彼氏の前で醜態をさらさずに済んだものを。
妙な意識を直に埋め込んだ未来男に苛立ちを覚えつつ、それを動力に、直はなんとか再び歩き出し、駅へと向かっていった。
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