それは星の世界の物語

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兄弟が雪国のふかい森の上に、さしかかったときです。 弟星は雪のなかに動く、ちいさな生きものをみつけました。それは、まだ幼い人間の女の子です。 星たちも人間を見ることはあります。でも、それは夜の早い時間です。こんな夜ふけに、それも、ちいさな子どもが雪のなかをあるいている。そんなことは、初めてでした。 「ねえ、七番兄さん。あそこに人間がいる。なにをしてるんだろう。人間は夜の生きものじゃないのに」 弟星は自分の前をあるく七番めの兄さんに話しかけました。七番兄さんは、ちらりと下をみて、うなずきました。 「ほんとうだ。人間だな」 「それも、ちいさな子どもだ。あのくらいの子どもは、こんな時間、母親のとなりで寝てるのが、ふつうのはず。ふぶきのなかをあるいてくけど、どこへ行くつもりなんだろう」 「おれたちには関係ない話さ。おまえも、よそ見ばかりしてないで、ちゃんと、あるけよ」 七番兄さんに、しかられました。 でも、弟星は、その女の子が気になって、そっちを見ないではいられませんでした。 女の子は、つよい雪と風のなかを、よろよろしながら、けんめいに歩いていきます。 弟星は、ともだにの夜風に聞いてみました。     
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