これは一つの物語

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世界は変わった。 ある言葉をきっかけで世界は変わったんだ。 「好きです、付き合ってください」 大好きな子だった。 大好きだったんだ。 でもごめんと振ってしまった。 これはその後の物語である。 ☆ では手早く自己紹介をしよう。なにページ数の都合だ問題ない。 僕の名前は『白柳』 時は授業も終わり放課後、今僕は教室の隅の机で風に揺られながら寝ている。 「おーい白」 「なんだ?」 「また迎妻が来てるぞー」 とある女の子が手を振っている。 昨日振った学園のアイドルとまで言われた少女『黒光 彩』。 学園の制服は質素だがオーラが違う。 テクテクとこちらに向かってくる姿はグッとくる。 だけど僕は顔を横に向け顔を合わせないようにした。 「なんで目をそらすの?」 「それは君がよく知ってるはずだ」 「そんなことは私には関係ないもん」 全く自覚しろ。 何のために振ったと思っているんだ。 「なぁ、こいつのどこに惚れたんだよ。モテる要素皆無だぞ」 お前に言われたくないわ。 「そこがいいんだよ」 「えっ?」 驚いていた。 彼女は僕みたいななんの取得もないやつが恋愛の対象になると言ったのだ。 「告白してきてた人たちはなんか軽い気持ちで言ってた気がしたんだ」 それはそうだ。 彼らにとって彼女と付き合うイコール地位だった。 それだけの話。 そして僕が告白を断った理由である。 「そんなことより僕にどんな御用?」 「一緒に帰らない?」 「いやだ」 「即答かよ、お前面白いよな。なら俺とどうですか?」 「私は白柳君と帰りたいの」 「おう、俺は3秒で振られたぜ」 高らかに笑う友人。 こいつは明らかに楽しんでるだけだ。 別にいいんだけどね。 僕はカバンを持って教室を出ていく。 待ってと聞こえたけど僕は無視して歩く。 後ろからついてくる彼女。 周りからは妬むような目。 なんでこうなるんだ。 「ねぇ、聞いてる?」 「・・・僕につきまとって楽しい?」 「私を知ろうとしないからでしょ」 「あのね、僕は」 ここで僕は見てしまった。 猫が轢き殺されてしまう現場を。 もう助からない。 猫は息絶えたのだ。 僕はだから小さい言葉でこう言った。 「リープ」 かちり。 脳内でなにか音がする。 「ねぇ、聞いてる?」 同じ言葉、間違いなく十秒前に戻ってきている。 もう一つの原因。僕がこの力を持っているからだ。
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