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「客に店外要求された上にキスされるとか、こんなん立派なセクハラだよ」
そう呟いた時彼と初めて接した。
[大丈夫?良かったら相談乗ろうか?]
きしょい
人の弱みにつけ入る気かこいつは。
一笑して無視しておけば良かったのだ。
そうしたらこんな苦しむことにならなかったのに。
その時なにを思ったか返事をした。
「ありがと。私そのせいで一人客失なったの。お客さんになってくれる?」
それなりに高い店の客になんてなるまい。
バカにする意味もあった。
[いいよ]
返ってきた言葉に少し驚く。
「え、大丈夫?うちの店それなりに高いよ?」
[まあ、年収そこまで低いわけでもないし。]
「しつれいだけどどれくらい?」
[1000万弱]
なんだ、おっさんだったか。なら安心。
「お勤め先はどこ?」
[それはちょっと言えない。直接会ったらね。]
怪しさ復活。得体の知れないヤツは恐ろしい。
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