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「本当に綺麗な人だね。」
席に着くなり彼が口を開いた。
「うち、ボトルキープしないといけないんですけど、テキトーに安いお酒選んじゃいますね。」
言葉を聞き流し水割りを作る。
「なんか、変な感じですね。」
「確かに、初対面でいきなりお店に来てもらうのは申し訳ない気がしちゃう。」
軽く笑うと彼も笑った。
笑顔があどけない人だ。
「ご結婚は?」
「まあ一応は。」
「なーんだ。独身だったらモーション掛けてたのに。」
「ハハ」
乾いた笑い声
「お子さんは?」
「いるよ、二人。」
「へぇ」
ここで話は途切れる。
しばらく沈黙の時が流れた。
「そうだ。呟きの...大丈夫だったの?」
「え...ああ、うん。」
「酷い客がいるもんだね。」
迫ったのは私だけどね。
「でも...嫌いじゃなかったし。」
「へえ...オヤジ好きか」
曖昧な笑顔で頷く。
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