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「きゃあっ、殿下、殿下」
「殿下」
「みんなあ、フィリップ殿下が暴走したわ」
城の中では第一王子、フィリップ王子が『力』を持て余していた。ゆるやかにうねる金髪に青の瞳の、可憐な王子でした。
「だめなんだ~。コントロールが効かなくて」
ちょっと、木に登っている猫を助けたかっただけなのに。なのに、城ごと弾け飛ばすほどの力のある魔法を持て余している。
「なにをやっているのだ」
つかつかと廊下を歩いてくるのは第ニ王子ジョージ。長い足を交差させてマントを翻して歩く。やはり金髪の美麗な王子でした。
「兄上。だから貴方は魔法を使うのに向いていないんですよ」
(私に従え、暴走よ止まれ)
そう魔術用語で言うと、魔術がぱちんと弾けて終った。
「はあっ、助かった」
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