溺愛

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 斗貴央は素直に紗葉良とするセックスが好きだった──。  紗葉良を自分だけのものにした気分になれる。大好きな紗葉良を丸裸にして腕の中に隠すみたいに抱き締めて、熱い場所に自分を割り挿れると自分の想いもそこから一緒に紗葉良に流れ、伝わるんじゃないかと錯覚する。  そんな自分は女々しいのかなと、斗貴央は落ち込むこともあるけれど馬鹿な自分には他に方法がわからない──。  紗葉良が龍弥をどれだけ一途に想っていたか。教えられなくとも紗葉良を見れば嫌でもわかった。  斗貴央に出来るのは自分の想いを素直に伝えることと、ここにいてくれとひたすらに願うことだけ──。 ──誰にも誰にも絶対に渡したくない。  腕の中で達した紗葉良の頬に透明な雫がキラキラ流れ落ちるのをうっとりと眺めながら、斗貴央は訪れた絶頂の中で何度も何度も願った──。     
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