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「おお、すごい、一網打尽って言われると先輩がたくさんいるみたい!」
「たくさんいたほうが幸せだろ?」
「うん、完璧だよ! ありがとう、まゐ!」
フフンと得意げに鼻を鳴らした。プリンを食べおわったスプーンでごはんをすくって食べてから、
「アイキュー高いんだよ、私」
と言った。
「アイ……キュ? ああ、あれか、それ、あたしも高いよ、三十は固いかな」
「ああ、あんたのそういうとこ好きだよ」
「ホホホ、照れる、ホホホ。アイキュー三十センチメートルあるから好かれて当然だよね!」
あたしが笑って、まゐも一緒になって笑ってくれた。ミラーニューロンバンザイ! ジョードーカンセンバンザイ!
☆
剣道部のマネージャーをしてるあたしは、放課後に柔剣道場の前にいる。
近く、有象無象の上級生や同級生のなかに先輩もいて、手が震えてしまう。先輩はやっぱりナイトなんだ! すらりと高い身長、切れ長の凛々しい目、キレイな白い歯は色を抽出して部屋の壁紙にしたいほどだよ!
あたしは力んで震えながら、子供を鐘つきの丸太みたいに持って、頭頂部を鍵穴のあたりに押しつけていた。
「いっけなーい、顧問の先生からカギを借りるつもりが、ガキを借りてきちゃった! てへ!」
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