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明日は休日であり、先輩とふたりで出かけるということになるんじゃなかろうか。なかろうか!
眠れない! 眠れないよ!
☆
結局、八時間しか眠れなかった。いつもは十二時間は寝るのに。
寝ぼけまなこで、洗面台に行って、手にしたものに歯磨き粉をひり出す。やけに歯磨き粉が減るなと思ったら、まごの手だった。
歯磨き粉まみれのまごの手をブン投げる。
背後の壁にガンと当たった。気にしない。
「サーモンピンクのがあたしので、ショッキングピンクのがお父さんので、桃色のがお母さんので、薄紅が妹ので、ローズピンクがゴンザレスのだったなー」
サーモンピンクの歯ブラシの柄をつかんで、歯磨き粉を今度こそひり出す。
うちの歯磨き粉はベーコン味だった。
歯磨きを終えて、部屋に引き返す。パジャマを脱ぎ捨て、クローゼットを掻き回す。
これだ!
十五分後。
姿見にはフリルがあしらわれたブラウスにフレアスカートのあたしがいる。首にはチョーカーも忘れない。暖色系でまとめたそれはまさに春の妖精めいててすばらしい!
サイドアップにしてシュシュを着けてみた。
写真を撮ってまゐに送ってみる。
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