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「言われてみると、それもそうだな。局長も少し驚いていた。江戸に文を出すと言っていたからその辺の事情はいずれわかるだろう。
まあ、人づてに文を頼んだのが遅れているだけかもしれん。案外、すぐに江戸に飽きてひょっこり戻ってくるかもしれないぞ」
「そうだといいんですが……」
「颯の言いたいこともわかるが、あんまりこのことで新を責めて仲違いするなよ。
異国の新しい文物や技術が集まっているのは長崎か江戸だ。一楽斉先生に誘われたら私でもついて行きたくなる」
三郎さんにフォローされても何だか釈然としないが……、久しぶりに新の様子を知ることができたし、いいか。
オレの存在なんか忘れちゃうくらい旅先で新しい出会いがあって、毎日リア充キラキラ男子状態なのかもしれないけど。
また元気な新にいつか会えるんならそれでいいや。
「今回の隊務が無事に終わったから、次の隊士探しで江戸に行けるかもしれない。颯も書記係で連れて行けるように頼んでみるよ」
「本当ですか!?」
三郎さん、神過ぎる!!!
「だが、あの剣の腕じゃなあ。少しは上手くなれよ」
三郎さんは笑って伸びをすると畳の上にごろりと横になった。
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