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「確かに最初の任務は先の公方様の上洛中の警護だったけど、それだってお城に上がるわけでもまして拝謁するわけでもない。
しかも最初の話ではそのまま二条城の警護を任される、名誉な仕事だ、って話だったのに頭だった清河さんという人が『攘夷のために横浜に行く』とか突然言いだしたもんだから途中で話がややこしくなっちゃって。仕事も無くなっちゃうし、待機という名で本当に待つばかりなんだ。あの時はいらいらしたよ」
元祖ブラックバイト被害者の会?(違)
「その時、近藤さんが筋を通してくれたお陰で幕臣としてここにいる。二条城ではないけどさ。十分だよ。
……それにしたって用意するとしたらせいぜい半裃だよ。こんなの使えない」
「半裃?」
「袴が短いやつ」
「ああ……(時代劇のイメージにだんだん近づいてきたぞ)」
「袴の丈は直すとして、色もさ……由緒だか何だか知らないけど今どき、こんなの着てる人いないよ。染め直してしまおうかな?肩は鯨の骨を入れ直して今風にもっと丸く短く……」
最新のトレンドを気にする沖田さん、普通の若者ぽくってそれはそれでいいと思うけど……やっぱりこの時代の美的センスってよくわからん。
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